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トータルライフコンサルタント 相続診断士

2009年11月30日月曜日

お客さまって何様発言

女性に嫌いな男性の行動を尋ねると、よく「店員さんに偉そうにすること」と返ってきます。
これは女性に限らず、男性の僕も同意見です。

店員さんにあんなにも理不尽に偉そうに「できる」理由は1つしかない。

「お客様は神様です」というまことしやかに語り継がれる神話。
僕はこれに全く正当性を感じていない。
もちろん店員が神様とも言わないし「大人と大人」やろうと思うんですが、なんか間違ったこと言ってますか?



僕がお客さんを神様と思わない理由は、店員は客が各々の事情によってできないこと(仕事が忙しくて晩飯が作れないとか、寒いけど作れない服を売ってるとか、自分で髪を切れないとか、etc)に代わってやっているに過ぎないと思うからです。それができないから、わざわざお金を払うわけでしょうが。
「すいません、これ私にできないのでこのお金でやってもらえないですか」
要はこういうことでしょうが。

もちろん、店員側はそうしてお金を稼がないと生活できないわけですが、客は客でそうしないと今の生活を維持できなくなり、今まで通り効率よく仕事ができなくなったりするわけです。


しかし「お客様は神様です」という言葉が抱えている一番大きな問題は、何を隠そう「店員側が言っちゃってる」こと。なんでそうなるのか?
客に理解してもらえるポリシーや理念が他にないからじゃないでしょうか。

向かいの店となんら変わりのないものを売ろうと思うと、とにかく安くしたり金券ばら撒いたり何言われても怒らなかったり、それはもう大変な苦労を強いられるのです。

「このへりくだりっぷりを見てください プライドの安売りしてますよ」

松下の神様発言の真意はよくわからないのですが、
しかし彼はまた、従業員の働き方に人一倍注意を払った経営者としても有名であるのです。

一言で言うと、消費者は調子に乗りすぎだ。
ただそうなった原因は、売るほうにあった。
広告にも通ずるところがあるでしょう。

2 件のコメント:

S.T さんのコメント...

気になっているテーマだったので一言。
「お客様は神様です」って言葉は、たしか三波春夫のネタ?でしたっけ。
現在のこの言葉に対する捉え方ってか、使い方大嫌いです。
Atomさんが言っているように、少なくとも松下さんは顧客に対して、現在のような捉え方はしていなかったと思います。
現在は顧客=絶対君主的な捉えられ方ですよね。
本当の意味は(流行らせた本人はどう考えていたかわかりませんが)、三方良しに近いのでは。売り手の利益は、買い手の利益から成り、社会全体の利益につながると。
顧客≠絶対君主であるが、全身全霊誠意を持って接せよという意味なんじゃないかと。かといって売り手は自身の商品に誇りを持つべきで、商品が顧客の利益につながると自身を持つべきだと。

現在のようになった原因のひとつは、下っ端の教育をする中間管理職はお客様=絶対君主って教育した方が、下手に商品に誇りを持たれてクレームの嵐になるよりよっぽど楽だし、上から叱られる心配も無い。ただ、下っ端は堪ったもんじゃなく、外部でストレス発散。このデフレスパイラル。
もうひとつは、格好良さの勘違い。強い立場の自分を見せ付けて、自分の地位を見せ付ける。

違うやろって!そんなことしても、まったく格好良くないし、むしろ自分の首絞めとることに気付けよと。そんなに服従してほしいんなら、下僕カフェでも見つけるか作るかして入り浸っといてくださいって。

一言といっときながら長くなりましたが、最低限の誠意を持てない人が増えている世の中に嫌気がさしている者の不満でした・・・(長々と駄文すみませんでした。)

nauhia さんのコメント...

熱心なご意見ありがとうございます。

中間管理職の教育論、目から鱗です。
それ以上のポストになると正直いちいち客のことなんか考えてられないというかもっと数字の計算をしないといけないはずなのに現場とのこのテンションの違いはなんやろうと思っていたのですが、その通りですね。

僕はさらに日本人が高度成長時の消費ブームをまだ引きずっているような気がしてなりません。

宣伝しなくてもモノが売れた。経済が停滞してきて、売れなくなってきた。じゃあ広告で勝負しよう。その時流行ったのが「企業価値広告」という怪しげなものなんですね。CSRにも通ずるところがあるんですが、実際の企業価値とはかけ離れた方向に宣伝されてしまった。徹底的に企業のイメージを高める広告を打った。「なんでもやります」というのは一番てっとり早くわかりやすい企業価値になった…

そこにきてこないだのIT革命ですよ。

もはや消費者は「不便」に耐えられなくなった。顧客の不便を請け負うことでお金を頂く業種も増えた。いわばまさに「Time is Money」ですよ。便利さにお金を使ってる。

経済が成熟した証拠なんでしょうが、「便利さ」というのは後戻りできないという怖さがある。でもどっかで歯止めをかけないと…って特に中流化している社会は思っているんじゃないでしょうか?

「吾唯足るを知る」という言葉は、日本人が一番イメージしやすいんじゃないんでしょうか。