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2011年4月12日火曜日

転向~6・回りまわってFIFA賛美

今日、プロ野球が開幕した。
本来から2週間以上遅らせた開幕で、電力の供給が間に合うまでナイターは自粛するようだ。

開幕延期反対派で読売グループの会長である渡辺恒雄会長は延期が決まった時点で、自粛派に対して「勝手にしろ!」とブチギレていた。
野球が世間を励ますと信じている人と自粛すべきとする人との世論の比率は、3:7ぐらいで、他の論争と比べて圧倒的に自粛派優勢だったと記憶しているが、これは娯楽活動が経済活動に比べて市民権が認められていないということだと理解した。少なくとも今じゃないという自粛期間は、当然長めに設定された。


昔ファイナルファンタジー10の中で、シンという大災害(のようなもの)にある町が破壊され、その直後に開催されたブリッツボールという競技の大会が開かれ、破壊された町のチームも含め全てのチームが出場し、国民はそれに熱狂する、というくだりがある。これが全てとは言えないが、いつどこで同じ目に見舞われるかわからない国民にとって、最大級の責任感と、同情と、そして誇りにも似た災害に負けない強い心が、そこにはあった。


おそらく電力事情がなければ、そして(共感を得るという意味では)震災がより頻繁に起こる状態であれば(起こらないことを望む)、会長の姿勢はもう少し支持されたのかもしれない。さらには、野球開催が支持を得るには圧倒的に、海外で活躍するサッカー選手のメッセージがスマート過ぎて心を打った
またこのゴタゴタによって、新井選手会長にとっては本当に不運なことに、野球界は株を下げた。


いかにFIFAがどす黒い問題を内包していようと、サッカー選手の深い同情の精神とその強烈かつシンプルな発信力は感動に値する。
震災直後の試合で得点したエトーは長友を抱き、ベルギーリーグの降格のかかった最終戦ではチームメートが川島と川島の母国のために戦うと公言し、どの試合でも会場には日本を応援する横断幕、試合前には黙祷…
枚挙にいとまがないこの事例は、人道問題に言及し続けたFIFAの努力の賜物と、そこにプレーする選手の質、発想力によるものだろう。もちろんメジャーリーグでも同じ類いのものはあった。しかしこんなに伝わりかたが違うのか。

野球選手は大きな問題を越えた。
今度は自分の中にずっとくすぶり続けた被災者への思いを、思う存分発揮する番だろう。

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