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トータルライフコンサルタント 相続診断士

2009年4月12日日曜日

1章 ビジネスチャンスの発見

1.事業ビジョンの明確化

マーケティングは、企業理念を達成するための顧客とのインターフェイスを果たす。マーケティング部が操るべきものではなく、経営トップのリーダーシップの元行われるべきものである。販売や広告はその一要素に過ぎない。

全てのマーケティングは選択された領域の中で行われる。新規事業の領域を決めるにあたって陥りやすい誤りは、既存の製品やサービスにとらわれる事である。「石油会社」ではなく「エネルギー会社」という風に製品カテゴリーで規定するのではなく、顧客のニーズやベネフィットに基づく視点を持たないと、刻々と変化する時代に取り残されてしまうことになる。


2.ビジネス・チャンスを発見する

なるべく多くのアイデアを考え、目標や組織能力に則って最終的に有望ないくつかの候補に絞り込んでいく。その際、組織の関連部署内でコンセンサスが得られるようなシステマティックな方法を考える。
さらに絞り込む過程において有力な手法は、SWOT分析である。(Strengths,Weakness,Opportunities,Threats)これを用いて以下の強みと弱み、機会と脅威を分析する。
  1. マーケティング要因…企業の評判、マーケットシェア、顧客満足、顧客維持、製品品質など。
  2. 財務要因…資本コストと資金調達力、キャッシュフロー、財務の安定性。
  3. 製造要因…設備、規模の経済、生産能力、従業員の能力、技術的能力。
  4. 組織要因…長期的視野をもつ有能なリーダーの存在、意欲的な従業員、企業家精神、柔軟性もしくは機動性。

これらを5~7点尺度で評価し、それぞれの項目の重要度も評価する。重要度でウエイト付けされた各項目の平均値で、アイデアの魅力度をはかる。

3.目標設定

大目標を設定し、それを達成するための中目標、小目標を設定する。これらを重要度によって優先順位付けすることで、より実行可能性の高い目標が見えることになる。

4.市場の規定と競争構造分析

SWOT分析で大雑把に規定された市場の競争構造を測るのが、競争構造分析である。市場全体が、どのようなサブマーケットによって分類されているかを分析する。競争構造を捉える基準変数には、以下のようなものがある。

  1. 伝統的な分類…大型車、普通車、小型車
  2. 価格弾力性
  3. 使用目的、用途…プロ用のカメラ、アウトドア用のナイフ
  4. 使用場面(TPO)
  5. ブランド遷移…購入ブランドの時系列的な変化
  6. 知覚の類似性…あるブランドと他のブランドが似ているか、似ていないか

以下の点を考慮に入れた上で上を用いて市場を規定する。

  1. 直感的にわかりやすく、納得がいく
  2. 消費者の視点から行っており、消費者の欲望と購買行動の結びつきを反映している
  3. 企業にとってい値打ちがある規定か
  4. 規定された市場の競争構造が、企業の現在における他製品との戦略的意図と密接に結びついている

5.競争構造分析のモデル

誤った競争構造分析をしないために、プロデジーモデルを用いることが多い。これは、顧客の購買行動から競争市場構造を分析するモデルである。ある商品を強制的に市場から排除すると、顧客はどのブランドを選択するかを測定したものである。これに使われるデータを強制的遷移データという。

プロデジーモデルの基本的な考え方は、既存の製品シェアに比例してシェアの変動が起きるという無構造市場仮説と、分析者の適当に考えた複数の構造仮説とを比較・検討するというものである。観察された遷移データからこのどちらの仮説が正しいかを統計的に検証する。

P(jT)=mj 市場全体でのマーケットシェア

P(js)=mj/Σksmj サブ市場sでのマーケットシェア

Pi(j)=mj/Σk≠imk=mj/(1-mi)  iを削除したときのjのシェア

Pi(s)=Σk∈sk≠iPi(k)  iを削除したときのサブ市場sのシェア

2 件のコメント:

cani さんのコメント...

またいろいろ教えて下さい。
本屋に売ってるマーケティング本はかなり玉石混淆やと思ってます。立ち読みとかしますが、メソッドにこだわりすぎて自分の頭で考えるということ忘れているような本が多いです。
ちなみにうちの会社のマーケティングはおかんと俺、姉貴の3人でやっとります。

nauhia さんのコメント...

この内容は学校の教科書のため、完全にメソッドだけなんですが、授業を聞いてる感じでは確かに最終的なところで個人のセンスが求められてるようなニュアンスでしたね。
僕がマーケティングを極めたら、お手伝いします(笑)