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トータルライフコンサルタント 相続診断士

2009年4月2日木曜日

バイトはなぜ働かない

僕は今までいろいろアルバイトを経験してきましたが、長いことやっているといろんな人がいることに気づきます。ある種の社会勉強と言われるゆえんだと思います。


アルバイトをしてるとき、「組織に属している」気分になる人と、そうでない人がいると思いますが、いってみれば「単なる金稼ぎ」以上のものを得るか得ないかの違いで、何年か前までは後者の立場をとる人が嫌いでした。どっか冷めてて、必要以上のことをしようとしない、要領よく仕事を終わらせて帰るだけの…というような印象でした。これは僕がアルバイトの分際で「組織に属している」と一方的に解釈し、周りの人にもそうであるよう心の中で強制しようとしていたからに違いありません。


性善説と性悪説を労働に関してあてはめるとこういうことになります。

性善説…仕事をするのは人間の本性であり、やりがいのある仕事を与えれば人は自ら動く。

性悪説…人間は本来仕事をするのが嫌いで、強制や命令がないと働かない。

これを言ったのはダグラス・M・マクレガーです。彼は上記性善説をY理論(性悪説はX理論)と呼びましたが、短期的に業績を伸ばそうとするとX理論に走りがちだが中長期的視点でみるとY理論を用いるほうがよいとしています。


確かに、イメージとして時給を多少高めに設定し、アルバイトを酷使してやめればさっさと入れ替えてしまうというやり方を採用している企業は、目先の(今日その日の)売り上げを重視して中身はボロボロ、というのも経験上あります。このような仕事先でY理論を導入するのは、非常に苦労します。時給が高いのだからと洗脳するか、圧倒的なカリスマ性を発揮する者を筆頭に従業員一同をアドレナリン垂れ流しっぱなしのマゾヒストに変えてしまうか、どっちにしろ人間性を完全に無視せざるを得ません。ほうっておくと暴動がおきるため規律によって管理する、まさにX理論ですね。


現パナソニック創始者の松下幸之助氏はY理論を重視したことで有名な経営者でした。
彼が社員にした配慮は、業績という形で会社に還元されたという点で非常に評価されています。人間としてやっぱりこっちのほうが魅力的に感じますが、悲しいかな不況の時ほど短期的な評価を求めがちです。


社員はこのように、Y理論を導入する会社で意欲的に働くとされていますが、アルバイトは社員ではないので自らが意欲的に働くことで受ける恩恵はほぼ0です。せいぜい時給が50円上がるとか、まあその程度。XやYだといっても彼らには関係ありません。経営の外の存在であることを自ら自覚しているがゆえの振る舞いなら、仕方ないことかと思います。


経済学を勉強すると、こんな単純なことですらいちいち図式化することでひとつ寛大になれた気がしますね。
あと、時間がつぶれます。

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