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トータルライフコンサルタント 相続診断士

2009年4月16日木曜日

2章 消費者行動

1.消費者行動のさまざまな側面

「購買」は保有、消費、などを含めた消費者行動の一部でしかないが、自社製品の売り上げやシェアに直接関わってくるという点でマーケティング担当者にとっては一番重要な消費者行動である。


2.消費者の購買行動プロセス

消費者の購買プロセスは、問題認識ー情報探索ー評価ー購買決定ー購買後の行動で、そのそれぞれでマーケティング担当者が注目する変数が存在している。



  1. 「問題認識」…ニーズの喚起、家庭内ストック   消費者の内的な要因(生理的、社会的欲求)、または外的要因(広告による触発)によってニーズが喚起される。製品によって購買時期は様々である。
  2. 「情報探索」…認知、考慮集合、選択集合   自分自身の経験、周囲の評判、広告、販売員の推奨などを情報源に、対象への関心度、重要度(関与度合)に基づいて情報収集する。高関与の場合は広範囲、低関与の場合は手近な範囲の情報収集しかしない傾向がある。日用品は低関与。この後、消費者が存在を認識している集合(知名集合)の中から考慮対象となる集合(考慮集合)の選択を経て最終的な選択場面における選択肢の集合(選択集合)へと絞り込む。
  3. 「評価」…消費者はブランドを知覚と選考によって評価する。これを知るためには、消費者が何を評価軸としているかということ(安全性、喉ごし、など)と、その評価軸上でブランドをどのように位置付けているかを知る必要がある。
  4. 「知覚」…さまざまなブランドに対する消費者の知覚を図示したものをプロダクトマップといい、その分析方法には多次元尺度構成法http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E6%AC%A1%E5%85%83%E5%B0%BA%E5%BA%A6%E6%A7%8B%E6%88%90%E6%B3%95因子分析http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/PFA/index.htmlが用いられる。
  5. 「選好」…選考とは消費者の選択対象を「属性の束」とした上での主観的評価である。補償型と非補償型があり、補償型の代表的なものとして加算型がある。特定の対象iに対する評価Aiは、対象の属性jに対する評価bijと、その属性の重要度hjとの積和によって規定される。考慮集合や考慮すべき属性が多い場合は、非補償型の連結型、分離型、辞書編纂型の3つが用いられる。連結型は、考慮すべき全ての属性について必要条件を設定し、全ての必要条件を満たす選択肢は許容される選好の範囲に入るというものである。分離型は、考慮すべき全ての属性について十分条件を設定し、1つの属性でもその十分条件を満たすのであれば、他の属性の値にかかわらずその選択肢を選ぶというものである。辞書編纂型は、もっとも重要な属性に着目し、その属性についてもっとも高く評価される選択肢をピックアップするものである。
  6. 「購買決定」…いつ購買が発生するかを問題にするのが購買生起モデルである。どのブランドを選択するかという意思決定はブランド選択モデル、選択したブランドをどのぐらい購入するかというのは購買量モデルによって導く。

  ブランド選択モデル

このモデルでは、過去の数値の統計上都合がよいとして加算型が用いられる。

ある消費者のブランドiに対する効用をUiで表す。この効用は選択肢の属性やマーケティング変数などから確定的に決まる要素Viと確率的な誤差εiの和からなるので

Ui=Vi+εi

消費者が全てのブランド集合Cの中から最も効用の高いブランドを選択すると考えると、選択肢iが集合Cから選択される確率は

P(iC)=Pr[Ui>Uj] for all j∈C,j≠i

Ui=Vi+εi

Viについては、マーケティング変数とその影響度を表すパラメーターとの線形結合によって次のように表す。

Vi=αi+ΣβkXik

εiには正規分布を用いるのが普通だが(プロビット・モデル)、積分を含んだ形で表現すると式が煩雑になるので、二重指数分布に従って表記すると、選択肢iの集合Cからの選択確率は

P(iC)=exp(Vi)/∑exp(Vi)ロジット・モデル

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