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トータルライフコンサルタント 相続診断士

2009年8月21日金曜日

父の影

去る8月20日、ディープスカイが引退しました。

病名は屈腱炎。
競走馬にとっては死にも至る深刻な病気です。



屈腱炎は、上腕骨と中節骨をつなぐ腱である屈腱(大きく外側の浅屈腱(せんくっけん)と内側の深屈腱(しんくっけん)の2つからなる)の腱繊維が一部断裂し、患部に発熱、腫脹を起こしている状態のことで、前肢に起こる場合が多く、また深屈腱より浅屈腱に発症例が多い。

詳しい原因はまだ不明であるが、継続的・反復的な運動負荷によって起こると推定されている。これを発症すると治癒するまで数ヶ月から数年間を要する。患部の強度が元に戻る例は稀であり、さらにトレーニングや競走への出走を再開した場合に再発する可能性も高く、競走能力にも影響を及ぼす。
こうした事情から「不治の病」ないしは「競走馬のガン」とも称される。ただし直接的に生命に影響することはない。また、屈腱炎を発症して腫れあがった脚部の外観が海老によく似ていることから、エビハラ、エビバラ、または単にエビとも呼ばれる。


引退の原因となることも多いが、克服して復帰後にGI競走に勝利した馬も少なからず存在する。

症状が重度の場合には触診でも判別することができるが、軽度の場合は超音波検査によって診断する。屈腱炎と認められた場合、患部を冷却して炎症を抑え、症状が進行している場合には抗炎症剤の投与を行う。また、鬱血や漿液を排出するために穿刺手術を行う例もある。

2000年代以降は、患部以外から採取した細胞を培養し、患部に移植して再生を促す「幹細胞移植」という治療法の研究と技術開発が進み、成果を上げつつある。ただし、幹細胞移植による治療には従来の治療方法と比べて多額の費用を要する上、復帰するまでに年単位の長い時間を必要とする事は変わらないため、実際に施術が行われるのは大レースでの好走実績を持つなど、復帰後にもかなり高い期待が持てる馬にほぼ限られている。(以上wikipediaより抜粋)


最近ではカネヒキリという馬が上記(幹細胞移植)を施し、2年のブランクからG1を3連勝したニュースがありました。医学は日々、進歩しているのです。


ただ、競走馬の場合は単に復帰を目指せばいいというわけにはいきません。
「子供を残す」という大きな使命があるためです。

先日、ディープスカイ、ダイワスカーレットなど数多くの重賞馬を輩出し、日本の競馬界の将来に明るい光を照らし続けた父アグネスタキオン(同じく屈腱炎により引退)が心不全により急死。ディープスカイには後継種牡馬として頑張ってもらわなければなりません。馬主の独断で治療し現役を続けることもできますが、もはやこの馬は日本の至宝であるからです。

逆に言うと、競走馬というのはそれだけギリギリのところで頑張っているのです。


出てきたときは印象が薄かっただけに、あれだけ大成した今では残念でなりませんが、病気が悪化しないようにお大事にしてもらいたいものです。
そしてもし同世代にウオッカがいなければ、もっと評価されている馬だと思います。
不運な馬でした。

天皇賞(秋)ではウオッカとダイワスカーレットの世紀の名勝負の一番近い目撃者に
ジャパンカップでは伏兵スクリーンヒーローの銀幕台頭の立役者に
安田記念ではウオッカに絶望的な位置から差しきられ
「父急死!!父に捧ぐ宝塚」と銘打った宝塚記念ではドリームジャーニー完全復活をお膳立て
失意の中凱旋門賞挑戦白紙撤回→放牧→故障発生

生涯戦績は17戦5勝ですが、本格化してからの安定感は異常でした。

おそらく引退してからも人気は衰えないのではないかと思います。
不運な馬に対して、ファンは温かいのです。


ちなみに今月はG1馬の引退が相次ぎました。

ブラックエンブレム(秋華賞)
ヴィクトリー(皐月賞)
ピンクカメオ(NHKマイルカップ)

いずれ劣らぬ伏兵たちでしたが、その後不振が続き、今回での引退となりました。

お疲れ様でした。
今後はよき父母として頑張っていただきたいものです。

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